経理関連規程のつづきです。
原価計算規程
●●●●株式会社
平成●●年●●月●●日制定
第1章 総 則
(目的)
第1条 この規程は、●●●●株式会社(以下、「当会社」という。)の経営方針の決定、利益計画、原価管理、予算管理及び価格政策に資するとともに、財務会計に対し、期間損益計算基礎資料を提供することを目的とし、「財務経理規程」第79条の規定に基づき原価計算実施についての一般的基準を定めるものとする。
(原価の定義)
第2条 原価とは、製品の生産(加工を含む。以下同じ。)及び販売のために費消される貨幣
価値をいう。
(原価計算制度)
第3条 この規程に定める原価計算とは、財務会計機構と有機的関連をもち、一定の計算秩
序に従い、恒常的に行われる制度としての計算体系をいう。
(非原価項目)
第4条 原価計算制度において、原価に算入しない非原価項目は、次のとおりとする。
(1)経営目的に関連しない価値の減少
ア.以下の資産に関する減価償却費、管理費及び租税等の費用
・投資資産たる不動産、有価証券及び貸付金等
・未稼働の固定資産
・長期間休止の設備
・その他経営目的に関連しない資産
イ.寄附金等の経営目的に関連しない支出
ウ.支払利息、割引料、社債発行割引料償却、社債発行費償却、株式発行費償却、設立償却費、開業費償却及び支払保証料等の財務費用
エ.有価証券の評価損及び売却費
(2)異常な状態を原因とする価値の減少
・異常な仕損、減損及び棚卸減耗等
・火災、震災、風水害、盗難及び争議等の偶発的事故による損失
・予想し難い陳腐化等により固定資産に著しい減価を生じた場合の臨時償却費
・延滞償金、違約金、罰課金及び損害賠償金
・偶発債務損失
・訴訟費
・臨時多額の退職手当
・固定資産売却損及び除却損
・異常な貸倒損失
(3)税法上特に認められている損金算入項目
・価格変動準備金繰入額
・租税特別措置法による償却額のうち通常の償却範囲を超える額
(4)その他の利益剰余金に課する項目
・法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税
・配当金
・任意積立金繰入額
・建設利息償却
(原価計算期間)
第5条 原価計算の期間は、毎月1日から末日までの1カ月間とする。
(原価区分)
第6条 原価は、製造原価及び一般管理費(販売費を含む。)に区分するものとする。
(1)製造原価とは、製品の生産に関して費消される価値のことであり、減価を構成するすべての要素を、原則として費目別及び製品別の計算段階を通じて、一定の減価単位に集計する。
(2)一般管理費とは、製品の販売並びに事業全体の管理に関して費消される価値をいう。
2 一般管理費及び販売費の計算は、費目別に把握して、損益計算上期間原価として当該期間の売上高に対応させるものとする。
(原価計算の方式)
第7条 原価計算は、原価を費目別、部門別及び製品別に計算するものとする。
但し、減価の一部を予め設定された予定原価で計算することができるものとする。この場合は、原則として実績との差額は原価差異として期末に調整し、配分計算するものとする。
第2章 費目別原価計算
第1節 費目の分類
(原価要素の分類)
第8条 原価要素は、原価発生の形態により材料費、労務費及び経費に属する各費目に分類するものとする。
(1)材料費とは、製品の生産に関して費消される物品の価値をいう。
(2)労務費とは、製品の生産に関して費消される労働給付の価値をいう。
(3)経費とは、製品の生産に関して費消される価値であって材料費、労務費を除いたものをいう。
第2節 材料費の計算
(材料費の分類)
第9条 材料費は、主要材料費及び副材料費とに分類するものとする。
2 主要材料費とは、製品の生産に関して直接に費消され、製品の基本的実体となって再
現する物品の価値をいう。
3 副材料費とは、主としてそのまま製品に取り付けられ、その組成部分となる物品の価値及び作業用材料費、補修用材料費、研究用材料費、サービス用材料費等をいう。
(材料費の消費計算)
第10条 材料の消費量は、原則として継続記録法によって計算するものとする。
但し、その消費量を継続記録法によって計算することが困難なもの、または必要のないものについては、棚卸計算法を適用することができる。
(材料の消費価格)
第11条 材料の消費価格は、購入材料については購入原価で計算し、自社生産材料については製造原価で計算するものとする。
2 材料の消費価額の計算方法は第23条を準用する。
(材料費の購入原価)
第12条 材料の購入原価は、材料の購入価額に購入手数料、引取運賃、保険料及び荷役費等の購入附属費用を加えたものとする。但し、軽微な引取費用又は材料購入原価に加算することの困難な費用は、これを経費として処理する。
2 材料の購入に際して割引、値引または割戻を受けたときは、原則として材料の購入原価から控除する。但し、値引または割戻が材料消費後に判明したときは、これを材料の購入原価から控除し、値引または割戻をうけた材料が判明しない場合には、これを当該部門費から控除する。
第3節 労務費の計算
(労務費の計算)
第13条 労務費は、当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することを原則とするものとする。
(1)賃金・賞与は、「就業規則」及び「給与規程」に基づき支払われる月別予定額を部門別・製品別に算定するものとする。予定額と実績額との差額は、期末に調整計算するものとする。
(2)賞与及び退職給付費用など、その発生が2原価計算期間以上にわたる労務費については、当該会計年度の予定発生額を合理的に見積もり、各原価計算期間に配分するものとする。
(3)上記以外のものについては、前年実績を考慮して、月別予定額を算定し、期末において予定額と実際額との差額を調整計算するものとする。
第4節 外注費の計算
(外注費の計算)
第14条 外注費の計算は、当該原価計算期間の実際の発生額をもって計算するものとする。
第5節 経費の計算
(経費の分類)
第15条 経費は、当該原価計算期間の実際の発生額をもって計算するものとする
(計算方法)
第16条 経費は、種類に応じて次の方法によって計算するものとする。
(1)保険料、減価償却費、賞与引当金繰入額及び退職給付費用など、その発生が2原価計算期間以上にわたる経費については、当該会計年度の消費額を期首において見積もり、各原価計算期間に配分するものとする。
(2)前号以外の電気料、ガス及び水道料等の経費については、当該原価計算期間の支払額または発生額をもって負担額とする。但し、未経過分は控除し、未払分はこれを加算し、軽微なものは支払月の負担とする。
第3章 部門別原価計算
(部門別原価計算)
第17条 部門別原価計算に当たっては、工場内の原価部門を細分化し部門費計算を行うものとする。
(1)原価部門とは、費目別計算において把握された原価要素をその発生場所に従って集計する計算上の区分をいい、これを製造部門と補助部門とに区別する。
(2)製造部門とは、主として事業の目的たる製品の生産を行う部門をいい、補助部門とは、製造部門に対して補助的に自己の製品または用役を提供し、あるいは管理的機能を行う部門をいう。
(3)製造部門及び補助部門は、組織図及び製造工程に従って設定するものとする。
(部門費の配賦)
第18条 部門費は、次のとおり配賦するものとする。
(1)直接費を除いた製造原価要素を部門別に集計し、次に補助部門費を各製造部門に配賦する。
(2)補助部門費の製造部門への配賦は、直接配賦法によるものとし、別に定める配賦基準によりこれを行う。
(加工費の計算)
第19条 材料費及び直接経費以外の労務費(直接労務費を含む。)、間接経費及び補助部門費のすべての項目を加工費といい、製造部門別に計算を行うものとする。
2 予定加工費率の計算は、製造部門別に行う。但し、必要ある場合は作業区分別に行う。
3 予定加工費率の計算は、当該製造部門等の一定期間に発生が予定される加工費総額を、同上期間の予定加工時間、予定加工個数等で除したものとする。
(加工費の配賦)
第20条 加工費の製造勘定への配賦は、予定加工費率に実際作業時間等を乗じて配賦するものとする。
2 実際加工費発生額と加工費の予定配賦額に差異が生じた時は、期末決算時に第25条
の規定に従い差異調整を行う。
第4章 製品別原価計算
(製品別原価計算)
第21条 原価の製品別原価計算とは、原価要素を一定の製品単位に集計し、単位製品の製造原価を算定する手続きをいい、各製造部門の製造形態により個別原価計算及び総合原価計算の方法によるものとする。
(個別原価計算)
第22条 個別原価計算にあっては、特定製造指図書について、個別的に直接費及び間接費を集計し、製品原価は、特定製造指図書に含まれる製品の完了時に算定するものとする。
2 製品の製造、自家用の機械工具等の製作、試験、研究、試作、仕損品の補修等の製造等に関しては、別に定める手順により特定指図書を発行する。
3 加工費は、各製造部門の直接作業時間(直接工数)当たりの予定加工費率をもって各指図書に配賦する。この場合の予定加工費率は、毎会計年度初めに当該期間における各部門の加工費の予定額を、それぞれの同期間における当該部門の予定直接工数をもって除して算定する。
(予定原価の算定)
第23条 予定原価は、製造原価要素及び製品製造原価について設定するものとする。
(1)予定直接材料費の算定は、次のとおりとする。
ア.予定直接材料費は、直接材料の各種類ごとに製品単位当たりの予定消費量と予定価格とを定め、両者を通じて算出する。
イ.材料の予定消費量は、製品の生産に必要な各種素材、部品等の種類、品質、加工の方法及び順序を定め、科学的・統計的調査による材料歩留率を適用して、製品単位当たりの各種材料の予定消費量を定める。予定消費量は、通常生ずると認められる程度の減損、仕損じ等の消費余裕を含むものとする。
ウ.材料の予定価格は、手持材料の実際価格、注文材料の契約価格等を基礎とし、
将来における価格変動の予想を考慮して算定する。
(2)予定加工費の算定は、次のとおりとする。
ア.予定加工費は、製品単位当たりの直接作業の予定作業時間と予定加工費率とを各区分作業ごとに定め、両者を乗じて算定する。
イ.予定作業時間は、製品の生産に必要な作業の種別、使用機械工具、作業の方法及び順序、各作業に従事する労働の等級等を定め、作業研究、時間研究その他経営の実情に応ずる科学的調査による各基本作業の標準時間を適用して製品単位当たりの各区分作業の標準時間により定めるのを原則とする。
この場合、各基本作業の標準時間は、通常生ずると認められる程度の疲労、身体的必要、仕損じ等の時間的余裕を含むものとする。
また、予定作業時間の決定に際し標準作業時間により得ない場合は、過去における実際作業時間を基礎にして定めることができる。
(棚卸資産の期末評価方法及び期中消費額計算方法)
第24条 棚卸資産の評価方法及び棚卸資産の払出消費価格の計算方法は、別に定めるものとする。
第5章 原価差異の会計処理
(原価差異の会計処理)
第25条 原価差異の処理は、次の方法により行うものとする。
(1)原価差異は、材料受入価格差異を除き原則として当年度の売上原価に賦課する。
(2)標準価格等が不適当なために比較的多額の原価差異が発生する場合については、直接材料費、直接労務費及び製造間接費に関する原価差異は、当年度の売上原価と期末棚卸資産に科目別に配賦する。
(3)材料受入価格差異は、当年度の材料の払出高と期末有高とに配賦する。
(4)材料消費量差異及び作業時間差異で異常な状態に基づくと認められるものは、非原価項目として処理する。
(原価差異の種類)
第26条 原価差異は、次のとおり分類するものとする。
(1)材料受入価格差異
材料受入価格差異とは、材料の受入価格を標準価格をもつて計算することによつて生ずる原価差異をいい、標準受入価格と実際受入価格との差異に、実際受入数量を乗じて算定する。
(2)直接材料費差異
直接材料費差異とは、標準原価による直接材料費と直接材料費の実際発生額との差額をいい、これを材料種類別に価格差異と数量差異とに分析する。
ア.価格差異とは、材料の標準消費価格と実際消費価格との差異に基づく直接材料費差異をいい、直接材料の標準消費価格と実際消費価格との差異に、実際消費数量を乗じて算定する。
イ.数量差異とは、材料の標準消費数量と実際消費数量との差異に基づく直接材料費差異をいい、直接材料の標準消費数量と実際消費数量との差異に、標準消費価格を乗じて算定する。
(3)直接労務費差異
直接労務費差異とは、標準原価による直接労務費と直接労務費の実際発生額との差額をいい、これを部門別又は作業種類別に賃率差異と作業時間差異とに分析する。
ア.賃率差異とは、標準賃率と実際賃率との差異に基づく直接労務費差異をいい、標準賃率と実際賃率との差異に、実際作業時間を乗じて算定する。
イ.作業時間差異とは、標準作業時間と実際作業時間との差異に基づく直接労務費差異をいい、標準作業時間と実際作業時間との差異に、標準賃率を乗じて算定する。
(4)製造間接費差異
製造間接費差異とは、製造間接費の標準額と実際発生額との差額をいい、原則として一定期間における部門間接費差異として算定し、これを能率差異、操業度差異等に適当に分析する。
第6章 販売費および一般管理費の計算
(販売費及び一般管理費の計算)
第27条 販売費および一般管理費は、原則として、形態別分類を基礎とし、これを直接費と間接費とに大別し、さらに必要に応じ機能別分類を加味して分類し、一定期間の発生額を計算するものとする。その計算は、製造原価の費目別計算に準ずる。
2 販売費及び一般管理費は、実際発生額と予算額と比較し、差異の原因を分析すると
ともに、原価低減の促進に活用しなければならない。
(販売費及び一般管理費の分類)
第28条 販売費及び一般管理費の分類及び費目は、別に定める「勘定科目マニュアル」によ
るものとする。
(規程の所管および改廃)
第29条 この規程の所管は総務部とし、改廃は取締役会に付議して決定する。
(付則)
1. この規程は、平成●●年●●月●●日より施行する。
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規程番号
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名
称
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原価計算規程
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●●年●●月●●日制定
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年 月 日改訂
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改訂年月日
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