年末に向けて、そろそろ所得税確定申告の資料を準備されている方もいらっしゃる頃だと思います。何か節税策はないかと考えても、年末までに時間もお金もない!
そんなときに、条件さえ整っていれば節税となる方法をお知らせします。
それは減価償却の償却方法の変更です!
個人の場合、何も届出をしていなければ、減価償却の方法は「定額法」という方法になっています。
定額法は、毎年同じ金額が減価償却費として計上されていく方法です。
例えば、500万円の資産を5年で償却していく場合、毎年の減価償却費は100万円となります。
しかし、届出を出すことによって、定率法という方法に変更することができます。
定率法は、簿価の一定率を減価償却費にする方法です。
(注:平成10年4月1日以後に取得した建物やソフトウェアなどは定額法しか選べません。)
先ほどの例で考えてみましょう。
500万円の資産を、1月に買いました。
償却年数は5年です。
この場合、定率法の減価償却費は・・・
500万円×0.4(=0.2×200%)×12/12=200万円となります。
先ほどの例で考えてみましょう。
500万円の資産を、1月に買いました。
償却年数は5年です。
この場合、定率法の減価償却費は・・・
500万円×0.4(=0.2×200%)×12/12=200万円となります。
つまり、この場合には減価償却費が約100万円増えることになります。
翌年は、簿価300万円×0.4×12/12=120万円
さらに翌々年は簿価180万円×0.4×12/12=72万円となります。
定率法に変更すると、早い段階で経費に計上できるという特徴があります。
(注:200%償却率で計算しています。)
この例で考えますと、償却方法の変更初年度は、償却差額100万円×所得税率分の所得税、100万円×10%の住民税10万円、国民健康保険料も所得に応じて減少します。
この例で考えますと、償却方法の変更初年度は、償却差額100万円×所得税率分の所得税、100万円×10%の住民税10万円、国民健康保険料も所得に応じて減少します。
因みに、この例では3年目以降は、定額法の方が有利になりますので、3年目以降は別の節税策を考えましょう!
冒頭において、「条件さえ整っていれば・・・」と書きました。
それは、「定率法」に変更できる対象者と、手続きの提出期限に以下の要件があるからです。
【手続対象者】
事業所得、不動産所得、山林所得又は雑所得のある方のうち、
① 新たに業務を開始した方
② すでに取得している減価償却資産と異なる種類の減価償却資産を取得した方
③ 従来の償却方法と異なる償却方法を選定する事業所を新たに設けた方
【提出時期】
上記【手続対象者】となった日の属する年分の確定申告期限までに提出する。
上記【手続対象者】となった日の属する年分の確定申告期限までに提出する。
(通常、翌年の3月15日。3月15日が土日祝日の場合は、翌日が期限です。)
【手続根拠】所令第123条