2012年12月23日日曜日

H24税制改正 特定役員退職手当等について

特定役員退職手当等 平成24年税制改正

平成24年度税制改正で特定の役員に対する退職手当などへの課税が見直され、平成2511日以降に支払うべき退職手当等のうち、「特定役員退職手当等」に係る退職所得の金額については、「2分の1課税」が廃止されることとなりました。(所法30④等)

この「特定役員退職手当等」とは、役員等としての勤続年数が5年以下の人が、その勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものです。
公務員が短期間での天下りを繰り返し、所得から控除される額が大きい退職金を繰り返し受け取ることにより、結果的に税負担を免れるという事例が指摘されたことから見直されました。

退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤務年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した金額の2分の1に相当する金額とされていますが、平成2511日からは、勤続年数5年以下の法人役員等の退職所得については、この「2分の1課税」が廃止されます。
(1)  現行
退職所得に係る所得税額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2×税率
(2)  改正後
退職所得に係る所得税額=(収入金額-退職所得控除額)×税率

国税庁は「特定役員退職手当等Q&A(NO.3228)を公表し、勤続年数5年以下の判定や同一年に使用人としての退職金と役員退職金を支給する場合の源泉徴収税額の計算、使用人としての勤続期間と役員としての勤続期間に重複する期間がある場合の源泉徴収税額の計算など、11項目についてのQ&Aを掲載しています。

この税制改正により、「退職所得申告書」において、特定役員等勤続期間及び一般勤続期間との重複期間の有無などを記載する欄が設けられています。
なお、「退職所得申告書」の提出がある場合には、課税退職所得金額について、退職所得の源泉徴収税額の速算表で税額を求めることができますが、「退職所得申告書」の提出がない場合には、平成2511日以降は退職所得金額に20.42%を乗じて税額を計算することとなります。


参考サイト
・「特定役員退職手当等Q&A
・「退職所得の受給に関する申告書」(退職所得申告書)