2013年3月24日日曜日

みなし決議とは

つづきまして、みなし決議についてです。

 

みなし決議とは?

 会社法は、一定の要件のもとで、株主総会や取締役会の開催を省略して議案を可決することができる定め(株主総会や取締役会の決議があったものとみなすこと)を設けています。
 

◎株主総会のみなし決議及びその要件

 株主総会のみなし決議とは、株主総会の開催を省略して、
議案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなすことを言います。
これは、少数株主で構成される中小企業等には使い勝手がよいものと思われます。

【みなし決議をするための要件】  取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、
当該提案につき議決権を行使することができる株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき。(会社法第319条)
 
取締役が遠くに住んでいて、開催場所に行けない場合など便利です。

◎取締役会のみなし決議

 取締役会のみなし決議とは、取締役会の開催を省略して、
議案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなすことを言います。

【みなし決議をするための要件】
 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、
当該提案につき取締役の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときで、
かつ、監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く旨を、定款に定めた場合。(会社法第370条)



※定款条文の記載の仕方は、以下を参考にしてください。



例1…業務監査権限を有する監査役を設置されている会社の場合

定款第●条(取締役会の決議の省略)
取締役会の決議の目的である事項につき、書面または電磁的記録によって全取締役が同意し、
かつ、各監査役が特に異議を述べないときは、取締役会の決議があったものとみなす。

例2…監査役非設置会社や監査役の監査を会計に限定している会社の場合

定款第●条(取締役会の決議の省略)
取締役会の決議の目的である事項につき、書面または電磁的記録によって全取締役が同意した場合は、取締役会の決議があったものとみなす。

定款にちょっと付け加えるだけで、みなし決議の要件を満たすのです!!