風邪の強い一日でしたね。
3日前から喉痛と鼻詰りで、すっかり鼻声のabeisaです。
では、経営分析(損益分岐点)についてです。
損益分岐点売上高(=損益分岐点)を計算するためには、
まず利益を生み出すのに使った費用を、固定費と変動費に分ける事が必要です。
固定費は、売り上げの増減に関係なくかかる費用で、
人件費や店舗の賃借料、広告宣伝費、固定資産税などの税金、減価償却費等々。
一方、変動費は、売上高に比例して増減する費用で、
食材費、光熱費、箸やおしぼりをはじめとした消耗品費等々。
厳密には、人件費でも残業代は変動費、
光熱費のうち、基本料金は固定費に当たるなど、
同じ項目でも固定費と変動費に分かれますが、
事務処理が煩雑になるので、現実には比率の大きい方へまとめて計上します。
またここでいう固定費、変動費に厳格な定めはないので、
ご自身の店の事情に合わせて固定費を決め、
それ以外の費用は変動費としても構いません。
例えば、バーのようにあまり照明やガスを使わない店は、
光熱費は固定費としても問題ないでしょう。
固定費、変動費の分類は業種によっても異なります。
例えば、交際費は小規模飲食店の場合には金額も少なく、
売り上げに直結しないため固定費として扱うが、
メーカーなどの場合には交際費はその月によって金額の変動が大きく、
交際費を使った接待が売り上げに影響する場合も多いため、
変動費として扱っている企業もあります。
一般に、損益分岐点は低い方が良く、
損益分岐点を超える売り上げを出せば、
超過分が店の儲けになる。
その損益分岐点を低く誘導するためには、固定費・変動費を少なくすること。
特に固定費は、売り上げの多少に関係なくかかるので、できるだけ抑えるべきです。
食材費などの変動費は、売り上げに直結するため削減しにくいものですが、
仕入れ先と交渉して仕入れ値を安くする、
賞味期限切れで捨ててしまう材料を少なくしたり、
保存方法を工夫する(冷凍できるものは冷凍する等)で、
変動費を抑えることも可能ではないでしょうか?
損益分岐点の計算式は、
損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費÷売上高)
EX) まず月の売り上げが200万円で、変動費が80万円、固定費が100万円の店の損
益分岐点売上高を計算してみましょう。
損益分岐点売上高
=100万円÷(1−80万円÷200万円)で、
損益分岐点売上高は166万円。
月商が166万円を越えれば、利益が出る計算です。
損益分岐点が算出できるようになれば、
現在の利益だけでなく、その計算式を活用して、
様々な経営分析ができるようになります。
目標の損益分岐点売上高を設定し、
今の変動費、固定費を変えずに営業する場合には、
いくら売り上げを積み増すことが必要か。
Ex)固定費50万円、変動費30万円の店で、損益分岐点を70万円
70万円=50万円÷(1−30万円÷Y)。
この店は105万円の売り上げが必要だと分かります。
もう一つ、売り上げを変えずに損益分岐点を下げるためには、変動費または
固定費をいくら削減しなくてはならないかというコストカットの目標額の計算もできますね。
現在の固定費が55万円で、売上高100万円、変動費30万円の店が、
損益分岐点を70万円にしたい場合は、70万円=Z÷(1−30万円÷100万円)で、
固定費は49万円となります。
現在の固定費から6万円削減しなければならないと分かるのです。
早速、試算表から計算してみてください!!