先日、借入金が過大かどうかの一つ目の指標についてお話をしました。
ちょっと時間が空いてしまいましたが、続きです。
2つ目は、返済可能かどうかという比率、「返済可能比率」です。
分母は貢献利益、分子は借入金です。
この値が2.0を超えると要注意です。
貢献利益というのは、売り上げから変動費を引いた限界利益から、さらに人件費を引いたものを指して名付けています。
不動産業を除いて、この値が2.0を超えた企業は借入金の
返済が非常に苦しくなっていることが統計分析からも明らかになっています。
◎比率を改善するためのポイント
自社の借入目的健全比率、返済可能比率が分かったら、
次はそれをどう改善していくが課題になります。
借入目的健全比率を改善するには
固定資産と運転資金の見直しが必要です。
設備資金を改善するには、固定資産の売却、
敷金をたくさん払って借りている物件の移転、
保険の見直しによる保険料の解約、などが考えられます。
借入目的健全比率 =借入金 /固定資産+運転資金 ≦0.8
返済可能比率 =借入金 /限界利益-人件費 ≦ 2.0
運転資金については2つ考えれられます。
まず1つ目に、売掛金のサイトを短くし、
逆に買掛金をゆっくり払うことが考えられますが、
既存のビジネスについてこれらを変えるのはなかなか難しいのが現状です。
しかし新ビジネス、新商品、新しい分野に参入した時は、
早くもらって遅く払う仕組みを導入する良いチャンスです。
これによって運転資金は改善されます。
2つ目は、在庫を少なくするということです。
かりやすい例では、昔、本を売っていた時には、
印刷した在庫を持つ必要がありました。
しかし今、CDで売れば、注文があってから生産しても間に合います。
つまり在庫が減るわけです。
返済可能比率は、貢献利益を大きくすると改善されます。
それには限界利益を上げるか、人件費を抑制するか、
この2つに1つになります。
トップがこの貢献利益を意識し、いかに人件費をコントロールしながら
限界利益を上げていくかを考えることが重要です。