交通事故で傷害を負った場合、治療費(入院費及び交通費も含む)、休業補償、慰謝料等の金銭の支払いが重要になりますので、契約条項に明確に記載しておくことが大切です。
自身が被害者であるケースにおいて、示談成立当時には予想できない、当該事故を原因とした後遺症や再手術等が発生したときの補償について、契約条項の中に盛り込んでおけば、事後紛争の予防措置となります(他方、自身が加害者側であるケースにおいては、第3条を削除しておけば、後遺症等についての免責を受けられます。)。
示談契約書
加害者●●●●(以下「甲」という。)及び甲の雇主である●●●●株式会社(以下「乙」という。)と被害者●●●●(以下「丙」という。)は、次のとおり合意(示談)した。
(基本合意)
第1条 甲及び乙は、下記交通事故の損害賠償金として丙に対し連帯して金●●●●円の支払義務があることを認める。
記
1.事故の概要
(1)事故の日時:平成●●年●●月●●日●●時●●分頃
(2)事故の場所:●●県●●市●●町●●丁目●●番●●号付近の路上
(3)加害自動車の表示:登録番号 ●●―●●●●
車種型式 ●●年型●●車
(4)事故の態様
甲の運転する前記自動車が●●方面から●●方面へ向かって進行中、同方向に自転車に乗って進行していた丙を追い越そうとしてこれに接触し丙を転倒させた。
2.被害の概要
(1)診断結果
丙は、左大腿骨骨折及び左肩打撲傷の診断。
入院:平成●●年●●月●●日から平成●●年●●月●●日まで
通院:平成●●年●●月●●日から平成●●年●●月●●日まで
(2)後遺症等
本日現在、機能は回復し日常生活に支障はないが過激な運動はできない。
(3)その他
丙が運転する自転車はスクラップ化した。
3.損害賠償金の内訳
(1)治療費及び治療に係る諸費用:金●●●●円
(2)休業補償費:金●●●●円
(3)慰謝料:金●●●●円
(4)自転車破損による損害:金●●●●円
(支払方法)
第2条 甲及び乙は、丙に対し前条の損害賠償金を、下記の支払期限までに丙に持参又は丙の指定する銀行口座へ送金して支払うものとする。ただし、振込手数料は甲及び乙の負担とする。なお、甲及び乙が、下記支払期限までに前条の損害賠償金を支払わなかった場合、甲及び乙は丙に対し、その翌日から支払済まで年●%の遅延損害金(ただし、日割計算とする。)を支払わなければならない。
記
1.支払期限:平成●●年●●月●●日
2.丙の指定口座:●●銀行●●支店
(普通預金)●●●●
(口座名義人)●●●●
(後遺症に対する補償)
第3条 本件事故による負傷が原因となり将来丙に後遺症が発生したときは、第5条にかかわらず、甲及び乙は丙に生じた損害の一切を別途賠償するものとする。
(保険金請求手続の協力)
第4条 丙は、甲又は乙が、自動車損害賠償責任保険及びその他の保険により保険金を請求するに際し協力することを約束するものとする。
(清算条項)
第5条 甲及び乙と丙は、本示談書に定めるほか、甲及び乙と丙との間に何等の債権債務のないことを相互に確認する。
以上のとおり本示談の成立を証するために、本書2通を作成し、甲及び乙並びに丙記名押印の上、甲及び乙側と丙側で各1通を保有する。
平成●●年●●月●●日
住所 ●●県●●市●●町●●丁目●●番●●号
(甲)氏名 ●●●● 印
住所 ●●県●●市●●町●●丁目●●番●●号
(乙)氏名 ●●●●株式会社
代表取締役 ●●●● 印
住所 ●●県●●市●●町●●丁目●●番●●号
(丙)氏名 ●●●● 印