2017年9月6日水曜日

最新の法令に準拠していますか?1

おはようございます。
 
みなさんの会社の法令は、最新の法令に準拠していますか??
ざっと改訂項目別にみてみましょう。
 
1 就業規則は最新の法令に対応していますか?
 就業規則は職場のルールブックであり、多くの労務管理の基準となるものです。一方、就業規則は広範囲をカバーするため、関連する法令改正などに合わせて頻繁に変更しなければなりません。
 特に近年は、男女雇用機会均等法などの労働法に加えて個人情報保護法も改正されるなど、就業規則を変更しなければならない法令改正が相次いでいます。各会社は順次対応しているでしょうが、もしかすると抜け漏れが生じているかもしれません。
 
 
 以降では、改正内容に合わせた就業規則の規定例を紹介します。上表と併せて、就業規則の変更に抜け漏れがないかを確認できます。なお、就業規則の内容は会社によって異なるため、変更に当たっては、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。

2 男女雇用機会均等法関連
1)「LGBT(性的少数者)」へのセクシュアルハラスメントを禁止する規定があるか
 男女雇用機会均等法は、「セクシュアルハラスメント」(以下「セクハラ」)に対する防止措置を企業に義務付けています。2017年1月、男女雇用機会均等法で定める防止措置の詳細を定めた「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」が改正施行され、いわゆる「LGBT(性的少数者)」へのセクハラも、防止措置の対象から除外してはならない旨が明確化されました。
 そのため就業規則内でセクハラを定義する際は、労働者等の性的指向や性自認は問わない旨を追記する必要があります。
【規定例】
第○条(セクハラの定義)
セクハラとは、職場における性的な言動に対する労働者等の対応などにより当該労働者等の労働条件に関して不利益を与えること、または性的な言動により他の労働者等の就業環境を害することをいう。セクハラの被害を受ける労働者等の性的指向や性自認は問わない。

2)マタニティーハラスメントの定義がされているか
 2017年1月に男女雇用機会均等法と育児・介護休業法が改正施行され、「マタニティーハラスメント」(以下「マタハラ」)に対する防止措置を講じることが、新たに企業に義務付けられました。マタハラとは、職場における妊娠・出産や産前産後休業・育児休業などの取得を理由とする嫌がらせのことです。
 企業はセクハラと同様、マタハラについても就業規則内で明確に定義する必要があります。次の規定例は、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法がそれぞれ定義するマタハラについてカバーする内容になっています。
【規定例】
第○条(マタハラの定義)
マタハラとは、女性労働者の妊娠または出産、産前産後休業および育児休業の請求、その他の妊娠または出産の事由に関する言動により、当該女性労働者の就業環境が害されることをいう。

3)マタニティーハラスメントの防止措置に関する規定があるか
 マタハラとセクハラに対する防止措置の内容は、ほぼ同じと考えて差し支えないでしょう。そのため、現行のセクハラ防止措置に関する規定について、「セクハラ」と記載している箇所を「セクハラおよびマタハラ」と書き換えるのが最も簡便な対応です。
【規定例】
第○条(セクハラおよびマタハラの防止)
全ての労働者等は、国籍、信条、性別、性的指向、性自認、職務上の地位・権限・職権、雇用形態に関係なく、職場において相手の人格や尊厳を尊重し、セクハラおよびマタハラ、あるいはそれらと疑われる行為をしてはならない。
 なお、この他防止措置に関する規定としては、一般的に次のようなものが考えられます。ただし、就業規則の内容は企業によって異なります。
  • セクハラおよびマタハラに関する相談窓口の設置
  • セクハラおよびマタハラが発生した場合の事後対応
  • セクハラおよびマタハラの原因や背景となる要因を解消するための措置(例:育児休業制度の周知など)
  • セクハラおよびマタハラについての相談者・行為者などのプライバシーの保護
  • セクハラおよびマタハラについての相談、事実関係の確認に協力したことなどを理由とする不利益な取り扱いの禁止

つぎは、育児・介護休業から~